熱間圧延鋼板・黒皮材(SPHC・SS400)

熱間圧延鋼板(略して熱延鋼板)は、高温下(900~1200℃位)で柔らかい状態の鉄をロールで必要な厚みに圧延したものです。鉄の鋼板の中で最も歴史が長く、身の回りのありとあらゆるところで使用されています。高温下で加工製造する為、表面は鉄と酸素が結合した酸化被膜に覆われ青っぽい黒色に見えます。鉄のフライパンが黒く見え洗っても赤さびが出ないように、この酸化被膜は赤さびの発生を防ぐ効果があります。見た目は同じですが、使う用途により強度などを調整した種類があるのでご使用の際には一度ご相談下さい。1枚からでも配送可能。在庫がある場合、弊社配送ルートでは即日or翌日配送が可能です。

熱間圧延鋼板・黒皮材

熱間圧延鋼板 SPHC(JIS G 3131/3193)とは

SPHC(通称ムキ材)は熱延鋼板の中で最もベーシックで鉄を高温下で圧延冷却した鋼板です。鉄本来の加工性の良さと強靭さを兼備え、価格が安いのであらゆる分野で使用されています。表面は製造過程で形成される酸化被膜により青っぽい黒色で鉄本来の色調になります。

熱間圧延鋼板(SPHC)

用途 一般用
適応厚さ(㎜) 1.2~14以下
機械的性質 引張強さ270N/mm2以上
規格 JIS G 3131・JIS G3193

化学成分 単位%

種類 C(炭素) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄)
SPHC 0.12以下 0.60以下 0.045以下 0.035以下

機械的性質 引張試験特性(熱延原板の場合)

記号の種類:SPHC

引張強さ(N/mm2) 伸び(%)
厚さ(㎜) 試験片
270以上 1.2以上1.6未満 27以上 5号 圧延方向
1.6以上2.0未満 29以上
2.0以上2.5未満 29以上
2.5以上3.2未満 29以上
3.2以上4.0未満 31以上
4.0以上 31以上

引用元:JIS3131:2018 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

 

熱間圧延鋼板 メリット

一番ベーシックな鋼板で価格が安く、切断や曲げ加工、プレス加工に対応できる加工性の良さを有しながら耐久性にも優れます。表面の酸化被膜が赤さびの発生を抑える役目を果たします。

熱間圧延鋼板 デメリット

加工後にメッキや塗装を施す場合は、表面の酸化被膜を除去する作業が必要です。板厚の精度や表面の凹凸のなめらかさは冷間圧延に比べ劣るので、精度と美観を求められる加工や製品には不向きです。

熱間圧延鋼板 取扱い種類

SPHC・SS400

熱間圧延鋼板(SPHC)取扱いサイズ(㎜)

1.6 2.3 3.2 4.5 6.0 9.0 12.0 16.0 19.0㎜

熱間圧延鋼板(SPHC)主な用途

造船、建築、産業機器などあらゆる分野

ミルシート

事前のお申し出があればご用意いたします。

熱間圧延鋼板(SPHC)在庫

  3’×6′ 4’×8′ 5’×10′ 4x10他
厚み(mm)        
1.6
2.3
3.2
4.5
6.0
9.0 〇  4’x4′
12.0 〇 4’x813

納期

▲印は、弊社提携会社様置き場になります。納入に中1~3営業日いただきます。

鋼鉄・鉄板在庫一覧

 

熱間圧延鋼板(SS400)とは

SPHC(ムキ材)の強度調整をした鋼板です。代表的な熱間圧延鋼板SS400の400という数字は引張強度を表し、SS400は引張強度40㎏~51㎏を保持した鋼板となります。一般的に流通するのはこのタイプですが、それ以上の強度を有する鋼板もあります。見た目は熱間圧延鋼板(SPHC)と全く同じで、強靭性に優れより強度の必要な部材に使用されます。ただしSPHC材に比べると加工性は劣ります。

用途 一般用
機械的性質 引張強さ410~510 N/mm2以上
規格 JIS G 3101

化学成分 単位%

種類 P(リン) S(硫黄)
SS400 0.050以下 0.050以下

機械的性質 引張試験特性

記号の種類:SS400

引張強さ(N/mm2) 伸び(%)

厚さ(㎜)
410~510 16以下 245以上
16以上40以下 235以上
40以上100以下 215以上
100以上 205以上

引用元:JIS3101:2015 一般構造用圧延鋼材 

 

熱間圧延鋼板(SS400)取扱いサイズ(㎜)

1.6 2.3 3.2 4.5 6.0 9.0 12.0 16.0 19.0㎜

 

熱間圧延鋼板(SS400)主な用途

SPHC(ムキ材)よりもより強度を求められる分野。建築の柱や梁、橋梁、造船、ガードレール、車両のフレームなど。

ミルシート

事前のお申し出があればご用意いたします。

熱間圧延鋼板(SS400)在庫

  3’×6′ 4’×8′ 5’×10′ 4x10他
厚み(mm)        
1.6
2.3
3.2
4.5
6.0
9.0  
12.0  
19.0  

 

熱間圧延鋼板 製品ページ

納期

▲印は、弊社提携会社様置き場になります。納入に中1~3営業日いただきます。

 

熱間圧延鋼板 SPHC・SS400の鋼板・切板なら岡本金属にご相談下さい。

ご要望を聞いて自社在庫・ネットワーク内在庫からご用意します。

よくあるご質問

熱間圧延SPHCと熱間圧延SS400の違い・使い分け

SPHCは一般圧延鋼板とも呼ばれ、引張強度270㎏あり曲げ加工など加工性に富みます。SS400は引張強度400㎏以上あり強度に優れますが加工性はSPHCほどではありません。

熱間圧延SPHCと酸洗鋼板SPHC-Pの違い・使い分け

出来立ての鉄の素材を、温度が高い状態で圧延した物が熱延鋼板(SPHC)。さらに表面の酸化被膜をリン酸で洗い流したものが酸洗鋼板(SPHC-P)。酸洗鋼板(SPHC-P)は酸化被膜が無いので後工程のメッキや塗装がしやすくなり、表面も美麗なことからより加工性が良くなります。

酸洗鋼板SPHC-Pと冷間圧延鋼板SPCC-SDの違い・使い分け

酸洗鋼板(SPHC-P)をさらに冷えた状態で圧延したのが冷延鋼板(SPCC)。冷延鋼板のつや消し仕上げされたタイプがSPCC-SDです。冷延鋼板は成分組成が均一化され表面も美麗。板厚が安定しているので精密な加工に向きます。 

 
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